人間環境大学

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【環境科学科コラム】更新しました。

 みなさんこんにちは!環境科学科の久松定智です。

 8月になり、まだまだ暑い日が続きそうですね。岡崎キャンパスでは、クマゼミ、アブラゼミ、そして夕方にはツクツクボウシが鳴いています。そんな岡崎キャンパスは、自然豊かな立地にあり、キャンパスの隣に、実習などで使用する演習林があることが特長の一つです。演習林では今の時期、ケヤキの樹の高いところを飛び交うタマムシが見られたり、コナラやアベマキの樹液では、ノコギリクワガタやカナブン、ヨツボシケシキスイが観察できたりと、さまざまな昆虫たちに出会うことが出来ます。やはり自然のことを学ぶには、野外で実際に自然に触れることが重要ですよね!

 私は生き物全般が大好きです。鳥や植物、動物など、私達の身の回りには、様々な生き物がたくさんいます。その中でも特に昆虫に興味を惹かれて、昆虫の研究を続けてきました。名のない昆虫に名前をつけたり、系統関係を推定したりする研究(系統・分類学)が専門です。そのほか、レッドリストの調査、希少な昆虫の保全や生息地の維持管理なども行ってきました。人間環境学部環境科学科では、環境昆虫学、動物学基礎実習などの授業を担当しています。

 昆虫の採集技術には、いろいろな方法があります。網や素手で捕まえる方法のほかにも、枯れ枝や葉っぱを叩いて落とす方法、そのほか、光や餌などを用いて昆虫をおびき寄せ、効率的に採集する方法もあります。昆虫を採集し調査を行う上で、採集技術を知り、それを駆使することは重要です。

 標本にすることにどのような利点があるのでしょうか。まずは、生きたままでは形態を詳細に研究することができません。分類学では、標本にした上で形態を詳細に観察し、研究を行います。また、分類学では、新分類群の記載の際に、種の基準となる標本(タイプ標本)を指定しますが、その際にも標本は重要な役割を果たします。標本の作製の方法は種類によって異なり、例えば、蝶や蛾の仲間は展翅(翅を広げて固定)し、コウチュウの仲間は直接針で刺すか、台紙に貼り付けます。水生昆虫や体の柔らかい昆虫等は、液浸標本にしたりもします。

 また、標本作成時には、"ラベル"を添付します。このラベルには、1. 採集場所(例 愛知県岡崎市本宿町)、2. 採集日(例 2020年8月23日)、3. 採集者(例 久松定智)の3つは、少なくとも記載する必要があります。これらの情報が標本に付けられていると、その種類がその場所にその年月日に生息していたことの証拠にもなります。

 さて、8月23日(日)のオープンキャンパスでは、「昆虫標本をつくろう!」を担当します。昆虫について知ることの第一歩が、採集すること、そして標本にすることでもあります。オープンキャンパスでは、昆虫の採集技術、そして標本の作製方法について、紹介します。そのほか、キレイな昆虫やカワイイ昆虫の紹介もしながら、昆虫の魅力を、少しでも皆さんに伝えられたら、と思っています。

 新型コロナウィルスの影響で、油断の出来ない日々が続いております。オープンキャンパスにお越しになる皆さまにおかれましても、マスク着用などお気をつけてお越し下さい。皆様にお会いできることを楽しみにしております。

環境科学科教員:久松定智

    

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