人間環境大学

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【環境科学科コラム】8月1日のオープンキャンパスで一緒に実験しませんか。

8月1日のオープンキャンパスで一緒に実験しませんか。

 本学のオープンキャンパスでは、午前中に学科説明の時間があります。そこでの3分間の領域説明に、私はいつも全力で臨んでおります。8月1日のオープンキャンパスでは私の体験セミナー「集まれ生き物好き!生物を使って水質評価」が開催されます。3分間と90分間、全力で臨みます!みなさんにお会いできる日を楽しみにしております。

 さて、水の分析と聞くとちょっと身構えませんか?以前、学生に聞いてみましたら、「実験をやったことがないから興味が湧かない」「数字を聞いてもピンとこないし難しそう」とのことでした。これには、なるほどと思いました。単純な話で、実験を行うチャンスがなかったことと、水質について数字以外の情報を用いて感覚的に捉えられないことが原因かなと思います。もちろん結果を議論する際には数字で考えなければなりません。ただ、その前に"色"や"いきものの生長"として、まずは感覚で水質を捉えてみるというのはどうでしょうか。なんだか興味が湧いてきませんか?私の体験セミナーでは、水質の違いによって起こる現象を「知る」ことを目的に、いきものを使った実験を実施します。

 河川に、水田などで使用された肥料と農薬が同時に流れて来た場合、河川水中のいきものたちはいったいどうなるのでしょうか。例えば水中の藻類に対して、肥料はおそらく栄養を享受する源になると思います。一方で、農薬はおそらく藻類の生長に対して良くない影響を与えます。この状況について「良い」「悪い」の考えは、今回は避けてみます。まずは、肥料が流れてきたら藻類は増えて、農薬が流れてきたら藻類は減るとしたら、それが同時に起こったらどうなるのかということを「知る」ところから始めたいと思います。藻類は増えたり減ったりして、結局のところ藻類への影響はプラスマイナスゼロになるのかもしれません。そのような興味を持って、生物応答手法(生き物の反応を観察して化学物質の影響などを評価する方法)を使った実験を実施したいと思っております。

 さて、世の中には、生物応答手法を取り入れた水質の評価方法が、目的に応じて様々あります。

 例えば、農薬の毒性影響を評価したいと思った際には、一般的な生態毒性試験を実施します。この試験では、試験管を用いて、藻類が生長しやすくなるように栄養を調整した試験水の中に農薬と藻類を入れて、3日間でどれだけ藻類が生長するのかを見ます。

 目的がちょっと変わって、天然の試料水(川の水など)の中に含まれている栄養塩類などが、生物の生長にどのような影響を与えるかを知りたいと思った際には、藻類増殖能試験(AGP試験)を実施します。この試験では、試験管を用いて、ろ過処理などを施した河川水の中で藻類がどれだけ生長するのかを見ます。

 またまた目的が変わって、工場または事業所から排出されるいろいろな物質が含まれる排水をまるごと評価したいと思った際には、全排水毒性を評価する手法(WET法)があります。この試験では、試験管などを用いて、採取した排水に処理を施し、その中に藻類を入れて、3日間でどれだけ生長するのかを見ます。

 例で3つを挙げました。ややこしいことを書いておりますが、今回私が知りたい"農薬と肥料が一緒に流れてきたら藻類はどうなるの?"という目的に沿った試験方法はどれでしょうか。はて、あるようなないような。。なければ、いっそのこと試験方法を作ってやれという前向きな気持ちになってきませんか?オープンキャンパスの体験セミナーでは、ぜひみなさんと一緒に既存の試験方法をちょっとだけ工夫した生物応答試験を実施したいと思います。

 今回の体験セミナーで実施する実験からは、環境に「良い」「悪い」を知りたいという目的の達成は難しいかもしれません。ぜひ、この実験では何を知りたいのかなというところもみなさんと一緒に考えながら、藻類を使った水質評価をしてみましょう。

環境科学科:谷地

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