人間環境大学

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【環境科学科コラム】更新しました。

先日、ゼミの4年生が卒業研究として、三河湾に生息するスナメリの目視調査に着手し始めました。汗ばむ陽気の中、双眼鏡のレンズ越しにきらきらと輝く水面を覗きます。陸からスナメリを観察するのは初めての学生でしたが、一緒に観察を続けて数時間で、10頭を超える数のスナメリを観察することができました。

観察を続けていると、岸からそう遠くはない海面に、仲良く寄り添って泳ぐ2頭のスナメリを確認することもできました。この2頭のうちの1頭は、もう1頭よりも体が小さかったため、おそらくこの2頭は親子と考えられます。動物たちはいつもの日常のなかでの暮らしを続けているようです。かわいいスナメリ親子の出現に、思わずほっこりとした気持ちになりました。すくすくと育ってほしいものです。

このスナメリという動物はイルカの仲間ですが、イルカのような背びれを持たないため、実は見つけるのがやや難しい動物です。スナメリたちが呼吸のために浮上してくると、灰色に見える背中を少しだけ覗かせます。私たちは、その背中を確認することで、スナメリを観察します。彼らは人間の生活のそばに暮らしていますが、見つけにくいゆえに、海でその背中を見たことがある人は少ないかもしれません。また、絶滅危惧種であり、水産資源保護法においても保護動物に指定されています。そのため、捕獲して調査することは難しく、海辺からそっと見守るように観察・研究を進めています。

野生動物たちの暮らしを邪魔しないかたちで研究する方法としては、このようにそっと見守る型の研究手法がもっとも有効かもしれません。しかし、もっと動物の行動を調べたい、もっと色々な情報を得たいと思うと、こっそりと観察するだけでは分からないことも多くあります。したがって現在では、小さな機械を動物に取り付けて調べる手法など、動物たちの自然な行動を妨げないように配慮しつつも、様々な研究手法が用いられています。

621日(日)に実施されるオープンキャンパスにおいては、「マイクロチップを使った動物研究紹介」と題して体験セミナーを実施します。この体験セミナーでは、マイクロチップという電子標識器具を用いた動物の生態研究について紹介するとともに、実際にどのように研究をするのか、少しだけ体験してもらおうと考えています。

コロナウイルスの感染拡大について、まだまだ油断できない日々が続いていますが、マスク着用の上、お気をつけて人間環境大学岡崎キャンパスまで足を運んでいただければと思います。当日お会いできるのを楽しみにしています。

環境科学科 西田美紀

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