人間環境大学

インフォメーション

【環境科学科コラム】今回は西田先生のイルカ調査のお話です。

先日、イルカ調査に出かけてきました。場所は熊本県天草市五和町。古くからミナミハンドウイルカが定住していることが知られ、イルカウォッチングスポットとして有名な場所です。

私は、ここのイルカたちの背びれの写真を撮影し、一頭一頭を見分けることによって、イルカ同士の仲の良さを推定しています。地元の皆様のご協力のもと、ウォッチング船に同乗し、背びれの写真を撮っているのですが、夢中で撮影していると、お客さんに「何をしているのですか?」と時々声をかけられます。「この群れに誰がいるのか調べているんですよ」と返すと、とても驚かれ、なかには半信半疑な様子の方もいらっしゃいます。背びれの傷を手掛かりに一頭一頭のイルカを見分けられることは、あまり知られていないのかもしれません。

イルカの背びれは、呼吸のたびに海上に顔を出すため写真におさめやすく、私にとっては、まさにイルカたちの顔として機能しています。

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背びれの傷のつき方は個体によって様々で、傷の位置や形から、この背びれは、〇番の背びれだというように、個体の名前(番号)を付けて記録を取っています。なかには傷がはっきりとついていないイルカや、似通った背びれのイルカ達もいるため、見分ける作業は慎重に行わなければいけません。

背びれを見分けることに慣れてくると、船の上からでもイルカを見分けることができるようになってきます。そのため、カメラを構えていると「××番が小さなコドモを連れている!出産したのかな」なんてこともあります。

ちなみに、生まれたばかりのイルカの背びれには、ほとんど傷がないため、赤ちゃんイルカを見分けることはほとんど出来ません。それでも、月日が経つにつれて、背びれに傷がつくと、しめたものです。これでこの個体もこれから見分けられるなと一人でニヤニヤしてしまいます。天草のウォッチング船の上で写真を撮りながらニヤニヤしている人をもし見かけたら、それはきっと私です。新しく傷がついた個体を見つけたんだなと優しく見守ってください。

6月17日にはオープンキャンパスが開催され、午後からの模擬授業では私が実際に撮ってきたイルカの写真を用いて、どのような研究をしているのかご紹介いたします。イルカ研究の面白さが少しでも伝わればいいなと考えています。

末尾になりましたが、日頃より調査にご協力いただいている天草イルカインフォメーションの皆様には心より感謝申し上げます。 (環境科学科 西田)

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